
桜の名所 · 桜/都市の水辺
千鳥ヶ淵
皇居の堀に沿う700メートルの桜のトンネルが水面まで垂れ、小さな舟を漕いでピンクの天井の下に入っていく。東京の中心で最も夢のような花見の方法である。
所在地
東京都千代田区、皇居の北西
伝説と物語
「千鳥」の名は、堀の形が千鳥(チドリ)が翼を広げた姿に似ていることに由来し、地名の伝承に属する。
歴史と背景
千鳥ヶ淵はもともと江戸城の堀の一部で、明治以降に市民の憩いの場となった。沿岸には染井吉野など約260本の桜があり、戦後に広く植えられて景観となった。一方には千鳥ヶ淵戦没者墓苑(1959年建立、身元不明の戦没者の遺骨を安置)があるため、ここの桜には追悼の意味も伴い、純粋な娯楽の花見地とは気質が異なる。花の時期は通常3月下旬から4月上旬で、夜桜のライトアップと皇居乾通りの公開が同時期になることが多い。
土地の暮らし
ここは東京の花見の「静」の極致である。北の丸公園の樹林、墓苑の静謐、靖国神社の標本木(東京の開花宣言の基準となる木は近くの靖国神社にある)が徒歩圏内に集まっている。舟を借りるための2時間の行列は東京の人にとって春の成人式のようなもので、舟の上からの視点は、桜を「見る」ものから「通り抜ける」ものへと変える。
風習
花の時期の貸しボートは市内でも最も人気の高いものの一つで、先着順で、予約できない年が多い(その年の案内が正)。
信仰
特定の宗教との関わりはない(近くの靖国神社は神道の施設であり、参観にはその作法に従う必要がある)。主な文化的属性は、都市の桜と戦没者追悼が共存する公共空間である。
土地の作法
墓苑内では静かにし、騒いだりピクニックをしたりしないこと。舟の上では立ったり、手を伸ばして枝を折ったりしないこと。堀では魚や鳥に餌を与えないこと。桜の木の下で場所を取り、夜通し占有しないこと(東京の公園の通則)。
訪問のヒント
ベストは満開の前後3日間。ボートは開場の30分前から並ぶこと。歩くだけなら内堀通りの対岸の撮影ポイントは人が少ない。夜桜の終了時刻は千代田区の案内が正(通常は21時頃まで)。
近くで味わう
九段下周辺のそば(老舗のそば);靖国神社周辺の和菓子と桜餅(花の時期の限定品);神保町のカレー(徒歩で行けるカレーの激戦区);皇居東御苑周辺の弁当
神保町のカレー店街、九段下駅周辺、北の丸/竹橋一帯の食堂
桜餅の塩漬けの桜の葉は食べられるが塩辛いため、地元の人は葉まで食べる人が多く、葉を外す人もおり、どちらでもよい。神保町の名店の行列では割り込まないこと
そば/カレー1,000~1,500円(約47~70人民元、相場の目安)
神保町の古書店街と桜を同日に巡るのが、東京の文化の層を最もよく表す。花の時期の週末は九段下駅が非常に混むため、半蔵門駅を利用するとよい。
資料の手がかり: 千代田区公式観光、千鳥ヶ淵のボート場(千代田区観光協会)の案内、JNTOの東京の桜紹介。
写真の出典 · KimonBerlin · CC BY-SA 2.0
