地域を深く知る

Shiretoko Five Lakes

鏡のような五つの湖が知床連山を映し、ヒグマと原生林の間には高架木道一本だけが隔てとなっている。

Shiretoko Five Lakes

Hokkaido · 自然の奇観/世界自然遺産

Shiretoko Five Lakes

鏡のような五つの湖が知床連山を映し、ヒグマと原生林の間には高架木道一本だけが隔てとなっている。

所在地

北海道斜里町、知床国立公園

伝説と物語

「知床」はアイヌ語の「シリエトク(sir-etok)」に由来し、「大地の果て」を意味する。アイヌの人々はこの地を神々の住まう境とみなし、湖の周辺には「神の湖」などの口承があり、先住民族の伝説に属する。

歴史と背景

知床は2005年にユネスコの世界自然遺産に登録された(日本の自然遺産としては3件目)。その理由は、流氷がもたらす海の栄養が、遡上するサケ・マスやそれを食べるヒグマを通じて森へ還る、海と陸をつなぐ生態系にある。五湖は知床連山の噴火と地盤の陥没による水たまりで形成され、一湖までは高架木道で行けるが、それ以外は地上の遊歩道を歩く必要があり、ヒグマの活動による規制を受ける。

土地の暮らし

知床は日本における「秘境感」の原点である。電波もなくコンビニもなく、あるのは熊鈴の音と風の音だけ。管理の哲学は極めて厳格で、植生の回復期間には道を封鎖し、ヒグマが出没すれば即座に閉園し、観光客には「人は客、クマが主」と明確に教える。その抑制がかえって気質を形づくっている。ガイドはクマの糞や爪痕の読み方を教えてくれ、旅は観光から自然の授業へと変わる。

風習

地上の遊歩道は、繁忙期には有料のガイドツアーへの参加が必須(植生保護と防熊の制度)で、閑散期には知床五湖フィールドハウスで登録と講習を受ける必要がある。

信仰

特定の宗教との関わりはない。アイヌの自然崇拝(万物に霊が宿る)が文化的背景にあり、主な文化的属性は生態系の保護である。

土地の作法

食べ物の匂いのする物品の持ち込みや放置は絶対禁止。一人で隊列を離れたり走ったりしないこと(クマに遭遇した際に走るのが最も危険)。大声で騒がないこと。高架木道では飲食禁止で、ドローンは全園で制限されている。

訪問のヒント

公園は通常4月下旬から11月中旬まで開園する(公式サイトを確認)。ベストは6月の新緑と10月の紅葉の映り込み。気軽に景色だけ見たい場合は高架木道で一湖まで行けば十分(約40分の周回)で、正午のツアー客のピークを避けて開園直後の1時間を選ぶのがよい。

近くで味わう

斜里/ウトロの海鮮丼(イクラやウニの季節);知床の鮭親子丼;鹿肉料理(エゾシカ、合法的に狩猟された鹿肉で正規の食材);昆布麺や羅臼昆布の出汁料理;昆布や鮭の干物などの土産

ウトロ漁港周辺の食堂、知床自然センター近くのレストラン、斜里町駅前

鹿肉は地元の資源活用としての正規メニューであり、受け入れても丁寧に断ってもよいが、保護動物と混同しないこと。食堂は小規模な店が多く、売り切れ次第終了する

海鮮丼2,000~3,000円(約94~141人民元、相場の目安)

ウトロの宿は食事付きが最も安心。繁忙期はレストランに行列ができるため、17時前に夕食を済ませると確実。

資料の手がかり: JNTOの知床 https://www.japan.travel/en/spot/2143/ 、知床世界遺産のJNTOページ、環境省知床国立公園公式、知床五湖公式サイト。

写真の出典 · 663highland · CC BY 2.5